ことば

 
 鐸 声
浄土宗新聞 令和7年1月号より転記より転記
 ◆新年早々であるが「死」の話をしたい。「死を考える」は、ラテン語で「メメントーモリ」という。宗教や哲学が目指すものはつまるところ、メメントーモリといえる
  ◆米アップルの創業者スティーブー・ジョブズによるスタンフォード大学卒業式(2005年)でのスピーチは伝説的だ。ジョブズは「死とは、人類が生み出した唯一にして最高の発明だ。死は人生に変化をもたらす因子。古きを一掃し、新しきに道を与える。ドグマや他人の雑音に付き合って時間を無駄にしないでほしい。大切なことは、自分自身の心と直感に従う勇気を持つこと。それ以外は二の次でよい」と語った。この前年にジョブズは膵臓がんを患い、余命宣告を受けていた。「明日死ぬと思って生きなさい」。どれだけの人
が、ジョブズのような覚悟で生きているだろうか
  ◆新年の到来は一歩、死に近づいた証。「その時」までをどう過ごすか。今をどう生きるか。[メメントーモリ]は、日々の行動によい変化をもたらしてくれる。ジョブズの言葉を励みにこの1年、一瞬一瞬を大切に使い切りたいものだ。
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