
ことば
「鐸 声」 | ||
浄土宗新聞 令和5年8月号より転記 | ||
◆「立秋とは名はかりの暑さ」との季節の挨拶には実感がこもる。8月8日は立秋。暦の上では秋となる。しかし、日本の8月は一年中で最も暑い時期であり、残暑などという語感に合わない猛暑日が続く。「秋立つと夏ぎらひの人申しけり」(正岡子規)。早く酷暑よ去ってくれ、と願う姿が思い浮かぶ。 |
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◆お墓参りは、汗がしたたり落ちるような日差しのなか手を合わせる。8月は日本人にとって祈りの月である。6日の広島、9日の長崎、原爆の日。そして12日は日航機墜落事故の日。私たちは先人のはかり知れない無念さを思い、祈りを捧げる。15日の終戦記念日には各地で戦没者追悼の行事が行われる。月遅れ盆と日程が重なる。 | ||
◆7月の行事であった盂蘭盆会は、明治6年(1873)1月1日の改暦以降、新暦7月、月遅れの8月、毎年変動する旧暦盆等、全国各地域でそれぞれの時期に行われてきた。最も一般的な月遅れ盆は一般企業の夏季休暇とも重なる。8月は共に手を合わせ、故人への感謝の思いと皆の幸福を祈る時としたい。 |
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