ことば

 
 「鐸 声」
浄土宗新聞 令和8年10月号より転記
 ◆スマートフォンで「法然上人」と検索すれば、わずか数秒で、み教えや生涯を分かりやすく知ることができる。近年急速に普及するAI(人工知能)は私たちの生活を大きく変えつつある。

 ◆AIシステムには膨大な電力が必要であり、データセンターの冷却を通じて大量の水も消費される。便利さの陰で、環境への負荷は増している。

 ◆世界各地では、気候変動の影響を思わせる事象が後を絶たない。干ばつや水不足が深刻化している一方で、大規模な洪水や氷河の融解が発生している。ネパールで起きた土石流は記憶に新しい。「地球温暖化」は、もはや教科書の用語ではない。AIは環境問題の解決策を瞬時に示してくれるが、その答えを実行するのは人間である。

 ◆法然上人のみ教えを「知る」ことと、その教えを「生きる」ことは、同じではない。知ったことをどのように自分の生き方につなげるのか。便利さを享受しながら、その背後で苦しむ人や、傴ついていく自然に、どのように目を向けるのか。AIに教えを乞うのみならず、自らに問いかけ、一声の念仏をとなえたい。

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